「なにか噂が暴走しているようだが、私は、普通に自分の運命の伴侶を探しているだけだ」
そう答えれば、隣でルイサがうんうんと頷いている。
「そうですわ。まあ、アレッシェラ様は、世間でスパダリ大聖女と言われるほど雄々しくてかっこいいから誤解はわかりますが。せめて世間一般で言う三食昼寝つき永久就職先のお相手を募集しているという程度にしていただかないと。あら、でもこれはお相手の男性にとってが、そうなのかしら?」
「ルイサ……」
最早、擁護しているのか誤解を助長させようとしているのかがわからない。思わず半眼で呟くと、目の前のガレオが頭を下げた。
「失礼いたしました。ということは、特に美丈夫でなくても、対象になると?」
「顔がよいのに越したことはないが、別に筋肉ムキムキを求めてはいない」
相手がどんな姿で生まれ変わっているのかわからないのに、そこまで言うと、裸までもが審査対象だと考えられてしまう。各国から並べられた縁談相手が、我こそはと裸でポーズを決めて求婚する姿を想像し、思わず苦い顔で答えると、いきなりガレオが身を乗り出してきた。
「でしたら! うちの息子のレナールは腕っ節は特に強くはありませんが、妻に似てとても美しく、甘い顔立ちとも称されております。また性格は非常に温厚で、頭もよく、真面目なので、伴侶としては申し分のない人柄だと思います!」
パチリとアレッシェラの目が丸くなった。
話を聞いている限り、これまでの婚約者候補のような女性問題を起こしそうにはない。だが、そんな優良物件をわざわざ会ったこともないアレッシェラに持ちこんでくるとは――。
「それが本当ならば、なぜ私のところへ縁談を持ち込んだ?」
尋ねると、一瞬でガレオの動きが止まる。
