「ああ、私の側近のルイサだ」
顔を向けながら紹介する。ジャミマス神は、姿を隠しているので紹介する必要はないだろう。ソ・レイジェラの者ならば普通に話しているくせに――と思うが、なぜか神々はあまり人間と直接話すのを好まない。
だからそう答えると、アレッシェラの視線の先で、ガレオは胸を撫で下ろした。
「では、レナールも無事なのですね。巻き込まないように遠くに行くと言っていましたが、襲ってきた蝙蝠が退治できたのなら、人に捜させれば家に連れ帰ることができるでしょう」
明らかにホッとした様子だ。
「なにか理由があるようだな?」
結婚の申し込みをされるのは珍しくはないが、それにしてはなにかわけありなものを感じる。
だから、そう尋ねると、周囲を見回し、ガレオは少し離れたところにある街道沿いの館を手で示した。
「あまりほかの人の耳には入れたくないお話ですので……。どうか、あちらでお話しさせていただけますでしょうか」
見れば、示されたのは、貴族用の店だ。個室もあるから話しやすいのだろうと、ガレオの頼みに頷く。
そして、こそっとルイサが乗っていた大鷲に話しかけた。
「ダリオ殿下は帝都にはいない。すぐに行方を追うように。この言葉のまま、ソ・レイジェラに伝えてくれ」
そう頼めば、ケエエと大きな声で鳴いて羽ばたきを始める。
これで、すぐにダリオ殿下の行方は、神殿が追い始めるだろう。とりあえず、ダリオ殿下の捜索はそちらに任し、アレッシェラは、貴族の旅用に造られている街道沿いの店へと向かった。
