スパダリ大聖女の生贄結婚 ~自分を不幸にしたという前世の相手を探しています~

 伴侶?

 最近、よく謁見で聞く言葉だ。別に結婚の申し込み自体は珍しくはないが、こんな場所で、しかも出会った瞬間突然にというのは初めてだ。

(しかも、先ほどの青年と――)

 姿を思い返した途端、不思議な感覚が蘇ってくる。思わず、胸がトクンと鳴った。こんなのは、ダリオ殿下やほかの者の時には、感じたことがない。

 とはいえ、それを隠していつもの艶麗な微笑で腕を組んだ。

「それは――唐突な申し入れだな」

「申し訳ありません。これには理由がありまして……」

「理由?」

 首を傾げた時、空から名前を呼ぶ声がする。

「おーい、アレッシェラ」

「アレッシェラ様!」

 見上げれば、青い空からは大鳥に乗ったルイサとジャミマス神が下りてくるではないか。下にアレッシェラ以外の人間がいるのに気がついたのだろう、ジャミマス神が下りるまでに、人には見えないように姿を消した。

 だから、そのまま鳥に乗って地上に着いたルイサのほうへ声をかける。

「大丈夫だったか?」

「はい。あまりにもたくさんの蝙蝠でしたので、ジャミマス様がすべて火炎で追い払ってくださいました」

 その言葉に、ジャミマス神が隣で得意そうな顔で笑っている。

『変な術の気配を感じたからな。ま、俺にかかればこんなもんだ』

 ふふんという鼻歌さえ聞こえてきそうだ。そんな顔をするのなら、ガレオにも姿を見せればいいのにと思うのに、使っているのは、神力を扱う者にしか聞こえない心話だ。

 だからガレオは、ルイサが告げた言葉のほうに目を見開いた。

「では、先ほどの蝙蝠はもう大丈夫なのですね!? あのそちらのお方は……」

 空から突然鳥に乗って現れた女性に、ガレオが驚いた顔をしている。