「いや、結婚については、もう少し先にしようと思う」
さらりと出たアレッシェラの言葉に一番驚いたのは、レナールだ。
「それは、今初めて聞きましたが……」
「もちろん離れるつもりはない。だが、あなたは今まで家族の側で一緒に過ごせる時間が少なかったのだろう?」
「それは……そうですが……」
「だから、その失った時間分を少しでも取り戻してほしいのだ。とはいえ、このままでは、またいつレナール様の持つ力が狙われるかわからない。だから、しばらくの間は、ソ・レイジェラでその力を自在に扱える修行をしながら、こことを行き来する生活にしては、どうだろうかと思うのだが」
もちろん、あなたがここにいる時は、私が訪ねてこよう――そう笑いながらアレッシェラが告げると、レナールは真っ赤になっている。まるで、すごく綺麗な笑顔を目の前に見たかのように――。
「会うことは……できるんですね?」
「もちろん。今回は馬車で来たが、私の聖なる力で本気を出せば、ソ・レイジェラからここまでぐらい二時間ほどで来られるぞ?」
「二時間!?」
「もちろん、あなたが自在に力を使えるようになっても――だ」
指を唇に立てながら笑えば、レナールは一瞬虚を突かれたようになった。そして、ふっと笑う。
「そんなふうになったら、それこそ毎日会いに行くかもしれませんよ?」
「目標ができたな。では、いつかあなたがその力で私に会いに来てくれる日を夢見て――。それまでの間は、顔を忘れる間がないぐらい、私があなたにしょっちゅう会いに来よう」
いつか二人で、力を使って共に空を飛べるまで――そして、未来永劫一緒にいようとアレッシェラが微笑むと、レナールは嬉しげに笑って頷いた。
※《第1部了》
さらりと出たアレッシェラの言葉に一番驚いたのは、レナールだ。
「それは、今初めて聞きましたが……」
「もちろん離れるつもりはない。だが、あなたは今まで家族の側で一緒に過ごせる時間が少なかったのだろう?」
「それは……そうですが……」
「だから、その失った時間分を少しでも取り戻してほしいのだ。とはいえ、このままでは、またいつレナール様の持つ力が狙われるかわからない。だから、しばらくの間は、ソ・レイジェラでその力を自在に扱える修行をしながら、こことを行き来する生活にしては、どうだろうかと思うのだが」
もちろん、あなたがここにいる時は、私が訪ねてこよう――そう笑いながらアレッシェラが告げると、レナールは真っ赤になっている。まるで、すごく綺麗な笑顔を目の前に見たかのように――。
「会うことは……できるんですね?」
「もちろん。今回は馬車で来たが、私の聖なる力で本気を出せば、ソ・レイジェラからここまでぐらい二時間ほどで来られるぞ?」
「二時間!?」
「もちろん、あなたが自在に力を使えるようになっても――だ」
指を唇に立てながら笑えば、レナールは一瞬虚を突かれたようになった。そして、ふっと笑う。
「そんなふうになったら、それこそ毎日会いに行くかもしれませんよ?」
「目標ができたな。では、いつかあなたがその力で私に会いに来てくれる日を夢見て――。それまでの間は、顔を忘れる間がないぐらい、私があなたにしょっちゅう会いに来よう」
いつか二人で、力を使って共に空を飛べるまで――そして、未来永劫一緒にいようとアレッシェラが微笑むと、レナールは嬉しげに笑って頷いた。
※《第1部了》
