引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「母上……」

 泣いている母に、レナールが気遣うように声をかけた。レナールの眼差しにエディットが涙を拭う。

「悲しいわけではないの。ただ、嬉しくて――こんな日が、また来るなんて……」

 もう一度、正式に息子と呼べる。捨てたつもりはなくても、息子でありながらもそう呼べなかった日々の隠していた悲しみが、エディットの目からこぼれ落ちてくる。

「これで、また前のように堂々と親子と名乗れるのね。どれだけこの日を夢見ていたか――」

「母上……」

 泣く母を慰めるように、そっとレナールが側に寄った。

「ありがとうございます、アレッシェラ様……」

 お礼を言いながらエディットが涙を拭うと、「ああ、でも」と、ふと顔を上げる。

「ご結婚なされるのでしたら、レナールはご一緒に連れていかれるのかしら?」