引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「誤解もなにも、夜這いをかけたのは事実だからな。それ以上が、あったかなかったかというだけで」

 そう言うと、さらにショックを受けたようにレナールは、赤くなっている。

 誤解を解きに行くべきかと迷っているようだったが、アレッシェラの言葉で、迂闊に話すと、さらに誤解をされかねないと思ったらしい。

 焦っている瞳に、クスッと笑いかける。

「大丈夫、明日私から話すから」

 慌てている様子に、愛しさを感じて堪らない。

(ひょっとしたら……今までレナール様の命が食べ尽くされずに耐えられていたのは、私と彼との縁がもう繋がっていたからかもしれないな)

 運命の相手――その名前の細い糸で。ほとんど覚えてさえいない頼りないものだが、それがもし、今までレナールの命が食べられるのを遅らせることができ、結果として守れていたのなら、嬉しいと思う。

 自分ならば、多少命を食われたとしても、神降ろしの術で得た神力で回復できる。

 だから、今はレナールが、こうして生きていてくれることがなによりも嬉しい。

 心の中でそう思いながら、アレッシェラはレナールに笑いかけた。