引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

 そのあとは、「大きな物音がした」「天から光が降ってきた」と、屋敷の中は大騒ぎになった。

 しかし、屋敷の者が駆けつけたレナールの部屋には、なにも破損がない。それどころか、中にいたのがその部屋の主と婚約者の女性だったので、「あらあら」と、駆けつけた者たちは、頬を赤らめながら「お邪魔しました」と、そそくさと去っていく。

 即座に閉まったパタンという扉の音に、どう説明したらいいのかと考える間もなかったレナールは焦った。

「待ってください! 今なにか誤解をされませんでしたか!?」

 手を伸ばして真っ赤になっているレナールの横で、アレッシェラは泰然としたものだ。

「まあ、かまわないだろう。明日、話せばすむし」

「そんな悠長な! 絶対に誤解をしていますよ。俺はともかく君が――」