引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「あーあ、くそっ。まさか今になって出会ってしまうなんて……!」

 うっかりしていたと、頭上でまだ浮かんでいるジャミマス神が、悔しそうにまだ炎色に輝く手で朱金の髪をかき乱している。

「どうやら、私の運命の相手で間違いがないようだしな」

 さすがに、このジャミマス神の言葉には呆れた。

「いや、でも」

 そのままあっさりと認めればいいのに、なぜかジャミマス神は、空中に浮かんだままアレッシェラに食い下がってくる。

「ほら、運命の相手って、もっと出会いとかがドラマチックなもんだろう? 最初から決まっていたのでは、面白くもなんともないだろうが、な?」

「生憎、レナール様との出会いは、空から落ちた私を助けるという大変ロマンチックなものだった。その辺の恋物語にも負けないぞ?」

 誰かさんが連絡を忘れたおかげでと言えば、うっと言葉を呑んでいる。

 不利だと思ったのか、ジャミマス神の顔が、慌ててレナールへと向いた。

「あ、そうだ。お前だって、実は、今世では女性に興味がないんだろう?」

(こいつ、やっぱりついてきて聞いていたな……)

「あんな肉体美の魔物に迫られたって、動じなかったんだからさ。それなら、俺がそっちのほうが好きな神を紹介してやるし。そうしたら、アレッシェラも自由に伴侶が選べるし、な?」

「貴様、私の目の前でどういう了見だ!?」

 ぶんと聖杖を振り回す。