引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

(私としたことが――つい守ろうと抱き寄せられた腕に気を取られて、反撃が遅れた)

 こんなことは初めてだ。

 レナールには、初めて会った時にも感じたが、なぜか側にいるだけで不思議な思いが湧いてくる。

 懐かしいような――。抱き締められたら嬉しいような。

(やはり、夢のとおり、昔彼と会ったことがあるのか?)

 それはわからない。だが、嬉しくて、心の中がこそばゆくなってくるのはわかる。

(ひょっとして、私は今世でもレナール様に恋をし始めているのか?)

 レナールの腕に抱かれているのは、アレッシェラから手を組んだ時よりも幸せな気持ちだ。さらに側にいたくて――。もっとレナールについてよく知りたいと思ってしまう。家族に感じた優しい思いに、甘美さと高揚さを加えたような気分だ。側にいると嬉しくて幸せなのに、ひどく胸が高鳴って、レナールと触れ合っている場所にばかり意識がいってしまう。

 甘酸っぱさが溢れてくるのに、相手はその一瞬に、さらに躍りかかってきた。