スパダリ大聖女の生贄結婚 ~自分を不幸にしたという前世の相手を探しています~

「ジャミマス神、それは、貴男の交友関係を振り返ってから言ったほうがいいだろう。ダリオ殿下の浮気などかわいいぐらいの女性を相手にしながら、さらにその一人になれとは。本気にすると思ったのか?」

「まあ、お前ならばそう言うだろうとは思ったが……。だが、なんでいきなり伴侶探しなんだ? ソ・レイジェラの大聖女が伴侶を探していると聞いて、各国がざわついているぞ?」

 ソ・レイジェラ神殿の最高位である大聖女は、誕生する前に、天界によってどの魂がなるのか決められるといわれ、代々生まれてすぐに神託で見いだされる。その魂は、生まれてくるまでに天界や精霊界など隣り合う次元の世界を修行のために回り、あらゆる神の声と力を伝えられるようになる存在だ。それだけに、神々に最も近いその大聖女が結婚したいと言い出し、伴侶となる相手を探していると聞き、各国が色めき立たないはずがない。

 興味深そうなジャミマス神に、アレッシェラはふっと笑って答えた。

「ああ――先日神託があったのだ。私の運命の伴侶が間もなく現れるだろうと」

「運命の伴侶!?」

 驚いたのは、後ろから神殿で飼っている大きな鳥に乗って、追いかけてきたルイサだ。確かに大聖女の結婚は禁じられてはいないが、長年仕えてきたアレッシェラからそんな話を聞いたのは初めてだ。

 優しげな緑の目を大きく開けて問い返すルイサに、アレッシェラは二十歳ぐらいにしか見えない美貌で柔らかく笑った。