不思議なまでの力だとか、不思議な存在と言われるのは日常茶飯事だ。だから、アレッシェラがそう勝ち気な笑みで返すと、レナールの瞳からは、ぽろっと涙がこぼれていく。
「……本当は、独りは好きではないのです……」
「ああ」
「家族が――大好きなんです。だけど、俺のせいでみんなが死ぬかもしれなくて……。俺が死ぬか、もしくは、この家を出て行って二度とみんなに会わないのがいいのはわかっています。でも、本心ではそれをしたくはなくて……!」
もう少し。独りで生きられるまで――いや、大人になるまで。せめて、あと一年――いや、もう少しだけ。そんなふうに何度も心の中で、あと少しだけと言い訳をしながら、家族と一緒にいたかったと、血を吐くような声で、告白をしている。
その姿を、ふわりとアレッシェラは抱き締めた。
「わかるよ。私も永久の孤独は、とても恐ろしい――」
優しく泣いているレナールを抱き締める。驚いて腕の中で瞬いている姿に告げた。
「私も――とうに親はこの世にはない。兄も妹もすでに他界し、私を幼い頃慈しんでくれた者たちはみんな死んだ。だから、それを恐れるレナール様の気持ちはとてもよくわかる」
どうして、ただ独りで生きたい者がいるだろう。
悠久の孤独――それを背負わされたレナールの辛さはよくわかる。
そっと優しく抱き締めると、腕の中のレナールの瞼が、ぐっと歪むように伏せられた。その隙間から、我慢しきれなかった涙が落ちる。
「安心してほしい。私があなたをこの状況から救う――だから」
「そんなこと……どうやって……」
そうレナールが絞り出すように尋ねた時だった。
突然、空間にキンと張り詰めたような音が響き渡る。
「やっと出てきたな」
どうやら、これ以上時間をかけるつもりはないらしい。私が会いに来たのに気がついたか、と呟きながらアレッシェラが顔を上げると、レナールは怪訝そうに突然広がった黒い闇を見回している。
月が隠れただけではない。室内にも濃い闇が煙のように立ちこめ、明らかにおかしい。
「どうやら早くに有言実行できそうだ。私があなたを守る」
だから、安心してほしいと闇の一際暗いほうに向かって立つと、レナールの顔が驚いたようになった。
「ア、アレシナ嬢……?」
「……本当は、独りは好きではないのです……」
「ああ」
「家族が――大好きなんです。だけど、俺のせいでみんなが死ぬかもしれなくて……。俺が死ぬか、もしくは、この家を出て行って二度とみんなに会わないのがいいのはわかっています。でも、本心ではそれをしたくはなくて……!」
もう少し。独りで生きられるまで――いや、大人になるまで。せめて、あと一年――いや、もう少しだけ。そんなふうに何度も心の中で、あと少しだけと言い訳をしながら、家族と一緒にいたかったと、血を吐くような声で、告白をしている。
その姿を、ふわりとアレッシェラは抱き締めた。
「わかるよ。私も永久の孤独は、とても恐ろしい――」
優しく泣いているレナールを抱き締める。驚いて腕の中で瞬いている姿に告げた。
「私も――とうに親はこの世にはない。兄も妹もすでに他界し、私を幼い頃慈しんでくれた者たちはみんな死んだ。だから、それを恐れるレナール様の気持ちはとてもよくわかる」
どうして、ただ独りで生きたい者がいるだろう。
悠久の孤独――それを背負わされたレナールの辛さはよくわかる。
そっと優しく抱き締めると、腕の中のレナールの瞼が、ぐっと歪むように伏せられた。その隙間から、我慢しきれなかった涙が落ちる。
「安心してほしい。私があなたをこの状況から救う――だから」
「そんなこと……どうやって……」
そうレナールが絞り出すように尋ねた時だった。
突然、空間にキンと張り詰めたような音が響き渡る。
「やっと出てきたな」
どうやら、これ以上時間をかけるつもりはないらしい。私が会いに来たのに気がついたか、と呟きながらアレッシェラが顔を上げると、レナールは怪訝そうに突然広がった黒い闇を見回している。
月が隠れただけではない。室内にも濃い闇が煙のように立ちこめ、明らかにおかしい。
「どうやら早くに有言実行できそうだ。私があなたを守る」
だから、安心してほしいと闇の一際暗いほうに向かって立つと、レナールの顔が驚いたようになった。
「ア、アレシナ嬢……?」
