引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

 苦しそうな告白に問うと、レナールは一瞬目を見開いた。

「え……?」

「誰とも繋がってはいけない。家出までした。縁談もすべて断っている。そこまでの覚悟を決めながらも、勘当してもらったあとは、別館ではあるがこの屋敷に住み続け、さらに母親の趣味の庭仕事や、今日は兄の仕事まで手伝っている。レナール様の言動には、かなり矛盾があると思うが」

「それは……」

 ぐっと深く眉が寄せられた。

「私は――レナール様は、本当は独りでいたいのではないと思う。だから、家族を守れるようにしながらも、ここに住み続け、完全な形で永久に別れることはためらっている。そうではないのか?」

 レナールの唇が、強く噛みしめられる。

「本心を話してほしい。本当は、私は、レナール様を助けるために来たのだから」

「俺を助ける……?」

「ああ。神から告げられた運命の相手かどうかは置いておいても、私はレナール様が気になっている。心を惹かれていると言ってもいい。それに、初めて会った時に、落下する私を助けてもくれたしな。だから、私もレナール様のことを助けたいと思うのは、おかしなことではないだろう?」

 そう話すと、レナールが深く俯いた。

「不思議な人だな、君は……」

「うむ、似たようなことはよく言われるぞ?」