「まったく……帰るように勧めたでしょう?」
アレッシェラが、自分では下りる気がないと感じたのか、危険から遠ざけようと、ふわりと両手で抱えてくれる。
その手から、ほのかに体温が伝わってきた。
今は手袋を嵌めていないので、レナールにもアレッシェラの体温が感じられたのだろう、一瞬目を大きく見開いて、表情が変わる。
そのまま両腕に抱えて、静かにベランダの床に下ろしてくれた。
そして、室内に促すと、再びベランダには出ないようにすぐに窓の鍵を閉めてから、困った顔で見つめてくる。その瞳に、アレッシェラは静かに笑いかけた。
「そうだが、まだ肝心なことを話してはいなかったからな」
「こんな危ない真似をしてはダメです。訪ねるのなら、朝にドアからという方法があるでしょう?」
どうやら、口うるささが戻ってきたみたいだ。
とはいえ、話しながら、アレッシェラをそのままドアへと案内するつもりだったのだろう。すぐに歩きだそうとしたレナールの背中へ声をかける。
「でも、それだとまた逃げてしまうだろう?」
そう微笑んで返すと、相手の顔が振り返って面食らったようになった。そして、溜め息をついている。
どうやら、そのつもりだったらしい。
黒が混じった銀髪をくしゃりと掻き上げ、閉めた窓辺から動かないアレッシェラを弱ったように見つめている。
アレッシェラが、自分では下りる気がないと感じたのか、危険から遠ざけようと、ふわりと両手で抱えてくれる。
その手から、ほのかに体温が伝わってきた。
今は手袋を嵌めていないので、レナールにもアレッシェラの体温が感じられたのだろう、一瞬目を大きく見開いて、表情が変わる。
そのまま両腕に抱えて、静かにベランダの床に下ろしてくれた。
そして、室内に促すと、再びベランダには出ないようにすぐに窓の鍵を閉めてから、困った顔で見つめてくる。その瞳に、アレッシェラは静かに笑いかけた。
「そうだが、まだ肝心なことを話してはいなかったからな」
「こんな危ない真似をしてはダメです。訪ねるのなら、朝にドアからという方法があるでしょう?」
どうやら、口うるささが戻ってきたみたいだ。
とはいえ、話しながら、アレッシェラをそのままドアへと案内するつもりだったのだろう。すぐに歩きだそうとしたレナールの背中へ声をかける。
「でも、それだとまた逃げてしまうだろう?」
そう微笑んで返すと、相手の顔が振り返って面食らったようになった。そして、溜め息をついている。
どうやら、そのつもりだったらしい。
黒が混じった銀髪をくしゃりと掻き上げ、閉めた窓辺から動かないアレッシェラを弱ったように見つめている。
