引き裂かれた恋人を捜す大聖女は生贄結婚をすることになりました! ~実は私がスパダリ大聖女といわれているのは、ご存知ないですよね?~

「夫人、それは……」

「もちろん、一夜が二夜になっても三夜になっても私は歓迎ですけれども。ですが、これならば結婚するわけではないのですし、レナール様がお気にされていることもご心配なく楽しめますでしょう?」

 くるっと首に回した腕は、まるで蛇のようだ。ゆっくりと自分に引き寄せ、その唇に近づこうとしている。

「まあ、まあ、まあ!」

 後ろでは、ルイサが卒倒寸前だ。

 だが、見ている前で、レナールはふいっと顔を背けた。

「そんな不誠実なことはできません。第一、それが縁となり、あなたの命が危なくならないと誰が保証ができるというのですか」

「ほう――あの、胸の谷間に靡かないとは……」

 私の運命の相手候補は、なかなかしっかりとした身持ちだな、とアレッシェラは、思わず呟いてしまう。もやっとしていたが、少しホッとした。

 だが、逆にルイサは心配になったのだろう。

「安心しましたが……あの、逆にあの方が運命のお相手で、アレッシェラ様は大丈夫でしょうか?」

 女性に興味がないのでは――と、今度は別の心配が起こったらしい。