スパダリ大聖女の生贄結婚 ~自分を不幸にしたという前世の相手を探しています~

 突然空中から響いた声に、アレッシェラは空を振り仰ぐ。

「結婚相手に人間の男なんてやめておけ。面白くもなんともないぞ」

「うるさい。また来たのか、お節介が」

 いつの間にやってきたのか。視線を上げると、青い空を背にして、アレッシェラより頭二つ分上のところに、凜々しい男の姿が浮かび上がっているではないか。

 青い空に輝く髪は、燃えるような朱金色。出たばかりの太陽が、眩しく空を染めて昇っていく煌めきさながらの髪を翻した男が、琥珀の散った青い瞳で、空中からアレッシェラを眺めている。その顔は、明らかに面白そうだ。

「ソ・レイジェラの大聖女に人間の男などふさわしくないだろう。番がほしいのなら、いくらでも神々から選ぶといい」

 じろりとアレッシェラが見つめれば、男は楽しそうに空中から身を乗り出してくる。

「希望するのなら、俺が伴侶に名乗りを上げてやるぞ? どうだ、申し分ない相手だと思わんか?」