スパダリ大聖女の生贄結婚 ~自分を不幸にしたという前世の相手を探しています~

「すまない、君を不幸にした」

 目の前では、両手を鎖に繋がれた男が涙を流している。

 白い靄の中で、ジャランと鳴る音は、両手と足に繋がれた鎖同士が触れ合う音だ。

「君のことが好きすぎて……! どうしても、諦めることができなかった……」

 目の前の男の顔が、涙に濡れているのはわかるのに、目鼻立ちはどうしてもアレッシェラからは、はっきりとは見えない。

「待って、どうしてそんなことを言う!?」

 必死に金の髪を振り乱して、アレッシェラは呼びかけた。しかし、男からその言葉への答えはない。

「君を好きになってはいけなかったのに――」

「待って!」

 どうして呼び止めても聞いてはもらえないのか。

 留めようとする声もむなしく、相手の姿は、周囲にいる者たちによって無理やり土の上を歩かされていく。

「ごめん――」

 再度、白い靄の中で、ジャラッと鳴った鎖の音が生々しい。

「違う、それは――」