スキルアップ!

「と、とりあえず怖がらせないでよ〜?」
 そう言い残して、水霧はペアのもとに行った。
 俺は、目の前にいる地味なやつを睨む。
 本当に、こいつはなんなんだ。俺も、まだクラスメイトの名字も名前も、1人も覚えていないのに、この地味子は、いとも簡単に水霧の名字を呼んだ。さらに、俺が聞こえなかった、水霧がぼそっと言ったやつを、聞き取れていた。能力とかじゃなくて、普通に聞こえたって、どういうことなんだ。
 俺の能力・雷まといは、警戒するほど強くなる。今の雷は、今までにないほど、強くなっている。大体初対面のやつは警戒するが、ここまで警戒したことはない。
「え、えっと、よろしくお願いしますっ…!」
 こいつは、律儀正しくおじぎをして、そう言った。
「…俺は、お前とはペアになれない。」
 こう言えば、大体女たちは本性を表す。何でだとか何回も聞いてきたり、自分はいいやつだアピール。それにはもう、うんざりしていた。だから、こうすればこいつの本性がわかる。だが、この女の反応は違った。
「そ、そうですよね…。私みたいな地味子でよくわからない人…。」
 少し悲しそうな表情はしたが、自分を逆に下げた。
 はぁ?本当になんなんだこいつ。
 俺が怪訝そうな顔をしたのを見て、こいつは不思議そうな顔をする。
「あ、あの……?」
 その時、俺の雷が、弱まっていることに気がついた。
 警戒が…解かれていってるのか?
 今までに、こんな強く警戒して、こんなに早く警戒が解けることはなかった。
 くそ…。どう反応すればいいんだこれは。