「月奈ちゃん、今日はここまでにしようか」
「えー、もう?」
「もうって言っても、二時間勉強したんだよ?」
院内学級の先生が笑う。
私は少しだけ頬を膨らませた。
「だって、もっとやりたい」
「じゃあ、明日続きをやろう」
「……うん!」
先生と約束をして、私は教科書を閉じた。
今より少し前。
私の体調が、今より良かった頃。
私は院内学級に通っていた。
勉強は嫌いじゃなかった。
友達と呼べる子はいなかったけれど、先生と話すのは好きだった。
くだらない話をしたり。
学校の話を聞いたり。
たまに将来の話をしたり。
「月奈ちゃん、いつか普通の学校にも行けるといいね」
ある日、先生がそう言った。
「普通の学校?」
「うん。月奈ちゃんと同じくらいの年齢の子たちがいる学校」
私は窓の外を見た。
校庭を走る子。
友達と話しながら歩く子。
制服を着て、自転車に乗って帰っていく子。
「……行きたい」
気づけば、そう呟いていた。
「行けるかな?」
「行けるように、一緒に頑張ろう」
先生が笑う。
私も笑った。
そのときの私は、本気で思っていた。
「えー、もう?」
「もうって言っても、二時間勉強したんだよ?」
院内学級の先生が笑う。
私は少しだけ頬を膨らませた。
「だって、もっとやりたい」
「じゃあ、明日続きをやろう」
「……うん!」
先生と約束をして、私は教科書を閉じた。
今より少し前。
私の体調が、今より良かった頃。
私は院内学級に通っていた。
勉強は嫌いじゃなかった。
友達と呼べる子はいなかったけれど、先生と話すのは好きだった。
くだらない話をしたり。
学校の話を聞いたり。
たまに将来の話をしたり。
「月奈ちゃん、いつか普通の学校にも行けるといいね」
ある日、先生がそう言った。
「普通の学校?」
「うん。月奈ちゃんと同じくらいの年齢の子たちがいる学校」
私は窓の外を見た。
校庭を走る子。
友達と話しながら歩く子。
制服を着て、自転車に乗って帰っていく子。
「……行きたい」
気づけば、そう呟いていた。
「行けるかな?」
「行けるように、一緒に頑張ろう」
先生が笑う。
私も笑った。
そのときの私は、本気で思っていた。


