朝。
目が覚めて、一番最初に見えるのは、真っ白な病室の天井だった。
「……また、朝か」
ぼんやり呟いて、ゆっくり身体を起こす。
鼻をくすぐるのは、いつもの消毒液の匂い。
嫌いだ。
この匂いを嗅ぐと、頭が痛くなる。
でも、仕方ない。
私は病人で。
ここにいなきゃ、生きていけない。
ベッドの横に置かれた時計を見る。
午前六時四十二分。
学校なら、そろそろ起きる時間かな。
……学校。
その言葉を思い浮かべるだけで、胸の奥が少しだけ苦しくなった。
私、愛染月奈は、生まれつき心臓に病気を抱えている。
左心低形成症候群。
簡単に言えば、心臓の左側がうまく発達していない病気だ。
小さい頃から何度も手術を受けた。
入院も、もう数え切れない。
昔は、もっと元気だった。
院内学級に通えるようになった時期もあった。
先生と一緒に勉強して。
笑って。
「普通の学校に行ける日も近いかもね」
なんて話したこともある。
でも、今は違う。
体調が悪くなって、また病院中心の生活に戻った。
窓の外を見る。
朝の光が差し込んでいる。
その向こうには、たぶん学校に向かって歩いている同い年くらいの子たちがいる。
いいな。
制服を着て。
友達と話して。
くだらないことで笑って。
放課後に寄り道して。
そんな普通の毎日。
私だって――
「……青春、したかったな」
誰もいない病室で呟いた言葉は、静かに消えていった。
目が覚めて、一番最初に見えるのは、真っ白な病室の天井だった。
「……また、朝か」
ぼんやり呟いて、ゆっくり身体を起こす。
鼻をくすぐるのは、いつもの消毒液の匂い。
嫌いだ。
この匂いを嗅ぐと、頭が痛くなる。
でも、仕方ない。
私は病人で。
ここにいなきゃ、生きていけない。
ベッドの横に置かれた時計を見る。
午前六時四十二分。
学校なら、そろそろ起きる時間かな。
……学校。
その言葉を思い浮かべるだけで、胸の奥が少しだけ苦しくなった。
私、愛染月奈は、生まれつき心臓に病気を抱えている。
左心低形成症候群。
簡単に言えば、心臓の左側がうまく発達していない病気だ。
小さい頃から何度も手術を受けた。
入院も、もう数え切れない。
昔は、もっと元気だった。
院内学級に通えるようになった時期もあった。
先生と一緒に勉強して。
笑って。
「普通の学校に行ける日も近いかもね」
なんて話したこともある。
でも、今は違う。
体調が悪くなって、また病院中心の生活に戻った。
窓の外を見る。
朝の光が差し込んでいる。
その向こうには、たぶん学校に向かって歩いている同い年くらいの子たちがいる。
いいな。
制服を着て。
友達と話して。
くだらないことで笑って。
放課後に寄り道して。
そんな普通の毎日。
私だって――
「……青春、したかったな」
誰もいない病室で呟いた言葉は、静かに消えていった。


