先生はキケンな許嫁。


〜♪♪ キーンコーン カーンコーン



「美織〜3組のイケメン田中くん振ったんだって?」

「うん。振るしか選択肢ないもん」

「わかるけどさ〜お試し的な感じで付き合っちゃいなよ、ちょっと遊ぶ感じで♪」

「私そういうのいらないって知ってるでしょ」




隣の席でお弁当を広げ、いちごラテを飲みながら話しているのは親友の高松奈々(タカマツナナ)

奈々は私の家柄も許嫁のことも知っている中学からの親友だ。

ちなみに、奈々は俗に言うフッ軽。

男の子にはモテるし付き合っては別れてを繰り返している。

今日も茶髪のストレートロングの髪の毛を一生懸命ブラッシングしている。





「え、てかさその許嫁とは会ったこともないんでしょう?」

「そうだけど」

「会ったこともないのに結婚とかやばくない?
まぁ美織はお嬢だから、普通じゃないのは知ってるけど」





私の父親は三大商社◎商社の社長。

家柄も裕福な環境で育ったわたしは

周りから見ればいわゆるお嬢様ってやつだ。




「美織1人暮らしだし、モテるし♪
結婚するまで誰かとお試しで付き合ってみればいいじゃん!バレないって♪」


「わたしは恋なんてしないから」



確かに私は1人暮らしだし何をしてもバレることはない。

それでも私には恋をしない絶対的理由がある。




「まぁ、隼人(ハヤト)さんのこと見てたもんね、美織は」

「うん、だからわたしはいいの」

「美織かわいいし、モテるのに、お嬢も罪だわ〜」


隼人は私の5つ上の兄のこと。

兄には長い付き合いの彼女がいた。

だけど結局、家柄の理由で『許嫁』と結婚させられた。

本気で恋をして傷つく兄を見てきた私は、恋をしないことを決めた。

そんなことしなければ傷つかずに済むから。