ソファでノートパソコンを操作する彩羽の膝の上に当然のように頭を乗せ、
「彩羽ちゃんの膝枕、すごく落ち着く。」
と目を細めたり、作業に没頭する彩羽の隙を突いて、カメラのファインダー越しに不意打ちで素顔を撮影したり。
「あ、勝手に撮らないでください……!」
「だって、彩羽ちゃんが俺のこと見て笑う顔、世界で一番可愛いんだもん。」
カメラの液晶画面に映し出されていたのは、照れ惑いながらも、心底幸せそうに瞳を輝かせる彩羽の姿だった。
かつて
「空虚で感情がない」
と酷評されていた律のレンズには、今や彩羽への溢れんばかりの愛と情熱だけが、まっすぐに切り取られていた。
「…ほらね。俺のカメラ、もう彩羽ちゃんのことしか追ってないでしょ?」
耳元で低く囁かれ、彩羽はもう抗う術を完全に失ってしまうのだった。


