8月下旬。
フォトコンクールの提出期限が目前に迫り、大量の写真データの整理と現像作業のため、彩羽は初めて律の自宅の部屋を訪れていた。
「お邪魔します……。」
男子高校生の部屋という未知の空間に緊張し、固くなりながら脚を踏み入れた彩羽だったが、パタンとドアが閉まった瞬間、背後からすっぽりと大きな体に抱きしめられた。
「……んっ、先輩……!?」
「んー…部室だと姫華たちもいるし、我慢してるから。補給させて。」
背中からダイレクトに伝わる律の確かな体温と、心地よいコロンの香り。
律は彩羽の首筋に顔をうずめ、甘えるように深く息を吸い込んだ。
「彩羽ちゃん、ほんといい匂いする…。可愛すぎて作業できない。」
「も、もう……作業が進まないです……っ。」
結局、部屋に入って作業が始まってからも、律の甘やかしと溺愛は止まらなかった。


