体育の授業が終わって教室に戻ると、机の上に置いてあったはずの教科書が隠されていたり。
写真部の部室へ向かうと、ロッカーの中に入れられたカバンの上に心ない悪口が書かれたメモが破り捨てられていたり。
(……大丈夫。これくらい、なんてことない。黒羽先輩に無駄な心配をかけちゃダメだ。)
自分と付き合っているせいで律の評判まで落ちてしまうことだけが怖かった彩羽は、放課後の誰もいない教室で隠された教科書を一人で探し出し、カバンの上に捨てられたメモを静かにゴミ箱へ捨てながら、誰にも言えない痛みを胸の奥深くへと押し込めていたのだった。


