「ようこそ写真部へ。カメラはこれを使ってごらん。」 渡されたのは、少し型落ちした重みのある一眼レフカメラだった。 手のひらにズシリと伝わるカメラの冷たい質感。 あのラムネ瓶の写真が頭から離れないまま、彩羽はカメラをぎゅっと抱きしめた。 言葉で伝えるのは苦手だけれど ────このレンズを通してなら、自分も世界を愛おしく見つめることができるかもしれない。 小さな希望と高鳴る胸の鼓動を胸に、彩羽の写真部としての第一歩が、静かに踏み出されたのだった。