4月中旬。 新入生歓迎の校内撮影会が終わり、生徒たちがパラパラと帰り始めた黄昏時。 彩羽は提出用データを整理するため、旧校舎の渡り廊下に一人残っていた。 茜色の眩しい夕陽が格子窓から差し込み、床の上に長く綺麗な影を落としている。 「白石。」 静かな呼び声に振り向くと、渡り廊下の向こうから律が歩いてくるところだった。 夕焼けの強い光を背に受けた彼のシルエットは、息をのむほど美しく、そしてどこか神聖にすら見えた。 彩羽は反射的に、いつもの癖で足をすっと一歩後ろへ引いた。