工藤先生の放った言葉は、鋭い針となって律の胸の最も深い場所を突き穿った。
律は、彩羽の写真を見つめ直した。
ファインダー越しに、誰も見向きもしない世界を愛おしそうに切り取る、あの小さな後輩。
自分は、あの儚くも美しい世界を創り出す彼女に、偽りようのないほど恋をしているのだ。
己の愚かなプライドも、浅はかな逃げ道も、全部捨てよう。
彩羽と、そして彼女が創り出す世界と、正面から泥臭く向き合わなければならない。
律はポケットの中で、拳を強く、痛いほどに握りしめた。
もう二度と、作り物の仮面なんて被らない───。
そう、心に固く誓った。


