年が明けた1月。
冬休みが終わり、静まり返った写真部の部室には、工藤先生の手によって新しい課題の紙が張り出されていた。
『テーマ:モノクローム(白黒写真)』
「色という情報がない分、光と影の捉え方、被写体へ注ぐ熱量が誤魔化しなく露骨に出る。」
工藤先生の解説を聞きながら、彩羽は一人、暗室の中で静かに一枚の写真を焼き付けていた。
放課後。
部室のパネルに貼られた彩羽の作品の前には、自然と人が集まっていた。
それは、冬の枯れ木に引っかかった一筋の蜘蛛の糸が、傾く夕陽を受けて銀色に輝く瞬間を切り取った一枚だった。


