12月中旬。
冬の冷たい雨が校舎の壁を打ち濡らし、放課後の校門裏には重苦しい静寂が落ちていた。
「律くんってさ、私のこと一回でも好きになってくれたことある?」
目の前に立つ美咲の、あまりにも静かで冷めた声。
律はいつものように唇の端を上げ、柔らかい笑みを浮かべようとした。
けれど、凍りついた顔の筋肉は上手く動かず、引きつったような歪な表情しか作れない。
「…見た目は学校一かっこいいのにさ。中身、びっくりするくらい空っぽだよね。」
美咲は呆れたような、どこか痛々しいものを見るような視線で律を見つめた。
傘を叩く雨音が、二人の間にどこまでも虚しく響く。


