ファインダーという遮るものがないから、直視するのが怖い。
けれど、絶対に譲らないという彩羽の拒絶の言葉。
赤い光が照らされた狭い暗室の中で、二人の荒い息遣いだけが交錯する。
律は歪んだ表情で彩羽を見つめ、伸ばしかけた手を、苦しそうにゆっくりと引っ込めた。
「……ふーん。そっか。」
冷めた掠れ声で呟き、律は暗室を去っていった。
重い扉が閉まり、再び静寂が訪れる。
一人残された暗室で、彩羽はその場にへたり込み、溢れ出そうになる涙を必死に袖で拭った。
モノクロだった世界に差し込んだ眩しい光は、あまりにも痛々しく、そして遠くすれ違っていた。


