年下の、地味で大人しい陰キャな少女に心を乱されているなんて、認められるわけがない。
これはただの、表現者としての興味だ────。
そう自分に言い聞かせ、逃げ込むように言い寄ってきた4組の女子と適当に付き合い始めたのだった。
部室の入り口で、新しい彼女と親しげに談笑する律。
彩羽は静かに目を逸らし、
「お疲れ様です。」
とだけ言葉を交わして、通り過ぎていく。
(私には、関係ない。先輩の写真だけを、尊敬していればいい…。)
心の防波堤を、より一層高く、分厚く固める彩羽。
その去り行く小さな背中を目で追いかけながら、律は新しい彼女の腕の中で、噛み殺すような激しい苛立ちに胸を焦がしていた。


