遠く離れた荒々しい岩場。 激しい波飛沫が舞う静けさの中で、潮風に短い髪を揺らせながら、一人黙々とカメラを構える彩羽の姿があった。 ファインダーを覗く彩羽の真剣な横顔。 夕陽の光を浴びて、透き通るように白く輝く肌。 それを見た瞬間、律の胸がドクンと大きく跳ね、息をのんだ。 周囲の歓声や波音がすーっと遠のいていく。 世界がその一瞬だけスローモーションになり、彩羽のシルエットだけが色鮮やかに浮かび上がるような感覚。 「……律くん?」 姫華の不審そうな声で、ハッと我に返る。