隣で姫華が楽しそうに何かを喋っている。
けれど、その声はまるで遠くの出来事のように頭を通り抜けていく。
脳裏から離れないのは、先ほど彩羽が見せた、偽りのない真っ直ぐな瞳。
そして、誰も気づかなかった自分の''閉じ込めた光''を見つけ出し、愛おしそうに語ったあの声。
「律くん? ねぇ、聞いてるの〜?」
「あ、ごめん…何だっけ。」
彼女と一緒にいるはずなのに、胸の奥が今まで経験したことのないほど猛烈に騒がしい。
誰にでも優しく、誰のことも本気で好きになったことのなかった自分が。
初めて
「自分だけの本当の姿を見てほしい」
と、あの小さな後輩に激しく執着し始めていることに、律はまだ気づいていなかった。


