重苦しい沈黙が、ふたりの間に落ちる。
雨音だけが、窓ガラスをトントンと叩き続けていた。
彩羽は逃げ出したい衝動を抑え込み、握りしめたカメラの感触を確かめながら、静かに口を開いた。
「あの…私、工藤先生の過去の作品集を見せていただいて……。」
律は何も答えない
ただ、冷めた瞳で彩羽の口元を見つめている。
「部室の入口の棚に飾ってある、ラムネ瓶のビー玉の写真…あれを撮ったのは、黒羽先輩ですよね?」
律の眉が、ほんのわずかに動いた。
驚きに一瞬だけ瞳を丸くしたが、すぐに視線を落とし、小さく頷く。


