「律さん……それ…。」
「彩羽ちゃん。俺のモノクロだった世界に色をくれたのは、君でした。…大学を卒業したら、俺と結婚してください。」
パカッと静かに開かれたケースの中には、暗室の赤い光の中でも美しく結晶のような輝きを放つ、小ぶりのダイヤモンドリング。
「っ……はい……! はい…っ!」
涙で視界が滲む中、何度も深く頷く彩羽。
律は愛おしさに少し震える指先でそのリングを取り出すと、彩羽の左手薬指へと静かにはめ、そのまま感極まったように彼女の身体を折れんばかりに強く抱きしめた。
暗室の赤い光の中、溢れる愛おしさと胸の高鳴りに包まれながら、彩羽は律の温かい胸に顔をうずめた。
これからは高校の先輩と後輩ではなく、同じ大学で、同じ視線で歩んでいく────
その喜びが溢れ出し、彩羽は無意識のうちに、ぽろりと言葉を零していた。
「……うん。ずっと一緒だよ、律くん。」


