「じゃ、白石さんから撮っていいよ。俺、被写体には慣れてるし。」
律は小さく息を吐くと、窓際に置いてあるパイプ椅子に浅く腰掛けた。
長い脚を組み、カメラを向ける彩羽へ向けて、すっと視線を流す。
それは、誰もが息を呑むような完璧な顔立ちと、隙のない甘い微笑み。
女子なら誰しもが胸を打たれるであろう、
「誰もが望むモテ男」
の顔だった。
彩羽は静かにカメラを構える。
ファインダーの四角い枠の中に、律の姿が収まる。
指先が微調整を加え、ピントリングが静かに回る。
レンズのガラス越しに、律の瞳と視線が重なった。
カシャリ、カシャリ。


