「私も……1年前は離れるのが寂しくて泣いてばかりでした。でも、律さんが片道2時間もかけていつでも逢いに来てくれたから、前を向けたんです。」
彩羽が振り向き、律の首筋にそっと手を回す。
「春からの新しい生活…すごく楽しみです。律さんのすぐ近くで、もっともっとたくさんの時間を重ねたいです。」
「うん。俺の隣も、俺の未来も、全部彩羽ちゃんにあげる。」
窓の外で舞う粉雪が、温泉街の温かい街灯りをやさしく反射している。
モノクロだった世界の始まりから、遠距離の寂しさを乗り越えて重ね合わさった二人の心。
重なる熱い唇と、肌越しに伝わる確かな体温。
二人は深くて甘い夜の中で、来たる春と、その先に続くどこまでも鮮やかで愛おしい未来を、固く誓い合ったのだった。


