11月上旬。
面接と作品ポートフォリオの提出を無事に終え、正式に『合格内定』の通知が学校に届いた日。
知らせを受けた律は、大学の最後の講義が終わるやいなや福岡から愛車を疾走させ、2時間もかからずに夕闇の迫る校門前へ駆けつけてきた。
「彩羽ちゃん……ッ!」
白いコンパクトカーから飛び出してきた律は、校門を出たばかりの彩羽を見つけるやいなや、周りの生徒たちの目も一切気にせず、愛おしそうに彼女の身体を勢いよく抱き上げた。
くるりと一回転するほどの力強い腕の中。
「り、律さん……っ、周りに後輩たちが…っ!」
「いいの! めちゃくちゃ凄すぎるよ、彩羽ちゃん! 自分の実力で俺の隣までの切符を勝ち取ったんだね…ッ!」
ゆっくりと彩羽を地面に降ろすと、律は感極まった表情で彼女の柔らかい頬を両手で優しく包み込んだ。


