律は大勢の観客がいることも忘れ、数歩で駆け寄ると、賞状を抱えた彩羽ごと強く、強く抱きしめた。
「最高すぎるよ…彩羽ちゃん…ッ! こんなサプライズ、反則だって…!」
「ふふ……春の免許の、お返しです。」
耳元で囁く彩羽の言葉に、律は愛おしさが限界を突破したように、彩羽の額に何度も優しくキスを落とした。
「参ったな…やっぱり俺の写真は、生涯彩羽ちゃんには敵わないや。」
「そんなことないです。私の世界に色をくれたのは、全部……律さんなんですから。」
ギャラリーに飾られた鮮やかな写真の前で、二人はしっかりと手を繋ぎ直した。
来年、同じキャンパスへ。
そして、同じファインダーの向こうにある、どこまでも色鮮やかで愛おしい未来へ────。
二人の紡ぐ物語は、二度と色あせることのない最高の色彩に包まれていた。


