10月上旬、秋晴れの土曜日。
律の通う大学がある隣県の美術館。
格式高いギャラリーの中央に、
彩羽の作品『Monochrome to Color』
が飾られていた。
制服姿で表彰式を終えた彩羽は、賞状を抱え、自分の作品の前で静かにその時を待っていた。
ちなみに、助っ人として事前に事情を打ち明けておいた姫華からは、
『今、律くんを連れて美術館に向かってるよ!』
と頼もしいメッセージが届いていた。
数分後。
ギャラリーの入り口から慌ただしい足音が聞こえてきた。
「ちょっと姫華、急に『面白い展示がある』って連れてきて何なんだよ。俺、午後から課題が…」
「いいから黙って見てみなさいって! ほら、あそこ!」


