9月中旬。
暗室の赤いセーフランプの下で、彩羽は何度も印画紙を焼き直していた。
あの夏の日に撮影した、夕暮れのグラデーション。
茜色から藍色へと移り変わる空の下で、優しく微笑む律の横顔と、重なり合う二人の影。
律が自分の世界に色彩をくれたあの日からのすべてを込めた、彩羽の集大成とも言える1枚。
作品タイトルは────
『Monochrome to Color』
思いを込めて郵送した数週間後、学校の職員室に一本の電話が入った。
顧問の工藤先生が興奮した様子で部室へ駆け込んでくる。
メニュー