8月上旬、夏休み。
大学が夏休みに入った律は、毎週末のように愛車を走らせて彩羽に逢いに来ていた。
ある日の夕方、二人は少し足を伸ばして、海が見下ろせる静かな高台の展望台へとドライブに出かけた。
車を停め、オレンジ色に染まる海を眺めながら、律が愛おしそうに彩羽の手を握りしめる。
「やっぱり、彩羽ちゃんと見る海が一番キレイだなあ。」
「ふふ、律さんってば……」
手を繋いだまま、心地よい潮風に吹かれる。
彩羽はぽつりと、けれどしっかりと温めていた想いを口にした。
「……ねえ、律さん。私、進路決めました。」
「え? 本当?」
「私…来年、律さんと同じ大学に行きたいです!」
律が目を見開く。
彩羽は真っ直ぐに彼の瞳を見つめ返した。


