「これ……。」
「俺が向こうで撮る写真も、全部ベースにあるのは彩羽ちゃんとここで見た光なんだよ。俺のファインダーの真ん中には、いつだって彩羽ちゃんがいる。置いていくわけないだろ?」
律は彩羽の柔らかい頬を包み込み、指先で涙を丁寧に拭った。
「俺の世界を一番鮮やかにしてくれるのは、これからもずっと彩羽ちゃんだよ。離れてたって、俺の心は一瞬たりとも彩羽ちゃんから離れてない。」
「律さん……っ。」
重なる熱い唇。
雨の音に包まれた車内で、二人は深く、甘く、溶け合うようなキスを交わした。
離れた場所にあっても、片道2時間の距離なんて、二人の強い絆と圧倒的な愛の前には何の障害でもなかった。
心もファインダーのピントも完全に重なり合った夜、彩羽は世界で一番幸せな18歳のバースデーを迎えていたのだった。


