その時――。
バタン!
と重い音を立てて部室のドアが開いた。
「ハァ……ハァ……っ! 彩羽ちゃん……!」
「え……!?」
そこに立っていたのは、息を激しく切らし、肩や前髪を雨で濡らした律の姿だった。
「り、律さん!? なんで…明日まで大学で集中講義じゃ…?」
「そんなの…徹夜で課題終わらせて、講義の合間に教授に頭下げて無理やり許可取ってきたに決まってるだろ……ッ!」
律は濡れたコートも気にせず駆け寄ると、彩羽の身体を折れんばかりの力で抱きしめた。
「彩羽ちゃんの誕生日に…一緒にいないわけないだろ…! 遅くなってごめん……っ!」
熱い吐息と、少し冷たい雨とコロンの匂い。
大雨の危険な高速道路を、2時間必死に車を走らせて駆けつけてくれた彼の激しい情熱がダイレクトに伝わってきて、彩羽の目からポロポロと涙が溢れ出した。


