金曜日の放課後、部活の指導を終えて校門を出た彩羽の視界に、夕陽を浴びて輝く見慣れた白いコンパクトカーが飛び込んでくる。
「彩羽ちゃん、お疲れ!」
運転席から降りてきた律が、サングラスを少しずらし、眩しいほどの笑みを浮かべて手を振る。
すれ違う後輩たちが
「あれ、黒羽先輩だ……。」
「私服もおしゃれで相変わらずカッコいい…!」
とザワつく中、律は周囲の視線など一切意に介さず、彩羽の元へ迷いなく歩み寄ると、ごく自然な動作で肩を抱き寄せた。
「り、律さん…! 学校の前なんですから…っ。」
「いいじゃん、1週間ぶりに会えたんだから。あー、今週も彩羽ちゃん補給完了。」
彩羽の首筋に顔をうずめ、甘えるように深く息を吐き出す律。
離れて暮らす1週間の寂しさを一瞬で埋めるように、愛車を走らせて逢いに来てくれる彼の圧倒的な溺愛ぶりに、彩羽は照れ惑いながらも、胸の奥がじんわりと温かい愛で満たされていくのを実感していた。


