monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜


​その一方で、律もまた、彩羽に内緒で一つの大きな''秘密''を進めていた。


​「じゃあ彩羽ちゃん、俺今日はちょっと用事があるから。」

​「あ、はい。受験の準備ですか?」

​「んー、まあそんな感じ! じゃあね!」


​最近、放課後になると理由をつけてどこかへ出かけてしまう律。

彩羽は
「美大の課題や準備で忙しいんだろうな」
と深く疑っていなかったが、実は律が通っていたのは学校近くの自動車教習所だった。


​(春から俺が県外の美大に行ったら、彩羽ちゃんに寂しい思いをさせる…。でも、車と免許があれば、休みの日にいつでも飛んで帰って来られる。)

​4月からの距離を埋めるため、律は彩羽に内緒で教習所に通い詰めていたのだった。