monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜


​12月30日。

街全体が年末の静けさに包まれる中、ふたりはうっすらと白く雪の積もった近くの大きな公園へ散歩に出かけていた。

​寒さで吐く息が白く立ち上る中、律は首に巻いたマフラーに顔を少し埋めながら、彩羽の左手を自分のコートのポケットの中に滑り込ませた。


​「手、冷たくなってる。ポケットの中で繋いでよう。」

​「あ……ありがとうございます。律さんの手、すごく温かいです…。」


​ぽかぽかと伝わる律の体温に胸をときめかせていると、律が空いた右手で肩から下げていたカメラを持ち上げた。


​「彩羽ちゃん、ちょっと立ち止まって。…うん、そのままで。」


​ファインダー越しに覗き込まれ、照れた彩羽が思わず縮こまると、カシャリと乾いたシャッター音が響いた。


​「もう……。勝手に撮らないでください。」

​「だって、雪の中に立つ彩羽ちゃんが綺麗すぎて、残しておかないと損でしょ。ほら見てよ、すごく可愛い。」


​液晶画面を見せられると、そこには少し照れながらも幸せそうに微笑む自分の姿が映っていた。



​「俺のカメラ、最近彩羽ちゃんしか写してないや。写真のフォルダ、全部彩羽ちゃんで埋め尽くされそう。」


​耳元で低く囁かれ、彩羽は真っ赤になって顔を伏せることしかできなかった。