12月下旬。
終業式が終わり、校庭の木々に粉雪が舞う中でいよいよ冬休みが始まった。
部室の片付けを終えた放課後、ストーブのやわらかな温もりが残る室内で、彩羽と律は二人きりで温かい缶ココアを分け合っていた。
「彩羽ちゃん、冬休み中も毎日会いたいんだけど。」
「えっ、毎日は…。律さん、受験勉強もありますし…っ。」
「勉強は朝と夜に猛集中して終わらせるから大丈夫。昼間は白石不足で倒れそうだから、俺のエネルギー補給につきあって。」
当然のような顔で甘えてくる律に、彩羽は顔を真っ赤にしながらも断りきれない。
ふと、彩羽は前から気になっていたことを思い出し、膝の上で手を少し握りしめた。
「あの…律さん。前から聞こうと思ってたんですけど…。律さんの誕生日って、いつなんですか?」
律は一瞬驚いたように目を丸くした後、ふっと愛おしそうに目を細めた。
「俺の誕生日? 2月16日だけど…。なんで?」
「あ、ええと…。付き合ってからまだお互いの誕生日を知らなかったなと思って…。ちなみに私は、6月12日です。」
「2月と6月か……覚えた。6月の彩羽ちゃんの誕生日は、俺が世界で一番幸せな日にしてあげるから覚悟しててね。」
「む、無理に豪華にしなくても大丈夫です…! でも、律さんの誕生日は楽しみにしてますね。」
お互いの生まれた特別な日を知り、冬の寒さも忘れるほど胸の奥がじんわりと温かくなる彩羽だった。


