涙声で叫ぶ彩羽の身体を、律は耐えきれなくなったように強く、けれど壊れ物を扱うように愛おしく抱きしめた。
「彩羽ちゃん……!」
背中に回された律の手が、震えているのが分かった。
律の胸の中に顔を埋めると、そこからは体育祭の時と同じ、激しく打ち打つ早鐘のような鼓動が聞こえてきた。
「好きです、律さん……。私を、あなたのファインダーから逃がさないでください…。」
「逃がさない。絶対、一生逃がさないから。」
ドーン、
と遠くの空で後夜祭のフィナーレを告げる大きな打ち上げ花火が上がった。
地響きのような振動と、窓の外を一瞬照らす光。
暗室の赤い光の中、二人は重なる鼓動を感じながら、二度と解けないように強く、強く手を繋ぎ合ったのだった。


