monochrome 〜君の切り取る世界に、恋をした〜


​「遠くになんて行かないよ。環境が変わったって、大学に入ったって、俺が彩羽ちゃんを好きでいる気持ちは絶対に、何があっても変わらないから。」

​「でも……!」

​「不安にさせてごめん。でも俺、もっと彩羽ちゃんに胸を張れる男になりたいんだ。彩羽ちゃんの自慢の彼氏でいるために、絶対に必要な挑戦だからさ。」


​律は彩羽の顎を優しく持ち上げ、目尻から零れ落ちた涙を親指の腹でそっと拭った。


​「会えない時間が増えても、毎日連絡する。休みの日は何があっても飛んでくる。だから……お願いだから泣かないで? 俺にとって世界で一番大切で、愛おしいのは、いつだって彩羽ちゃんだよ。」


​切なさと、あまりにもまっすぐで重い愛の言葉。

秋の冷たい空気の中、ふたりの重なり合った影が夕陽に長く伸びていた。

彩羽は律の胸に顔をうずめ、彼の確かな体温と鼓動を確かめるように、しっかりと服の裾を握りしめたのだった。