強がりな先輩と、重すぎる愛をくれる年下くん。

「藤崎さん、急で悪いんだけど、今年の新入社員の教育係をお願いしたくて。」​

週明けの月曜日。

朝の朝礼が終わった直後、課長からそう声をかけられた時、藤崎結衣は「わかりました」と迷いなく笑顔で頷いていた。​

入社して4年目。

任される仕事も増え、社内での立ち回りもすっかり板についてきた。

過去の辛い恋愛を経て、''仕事こそが裏切らない自分の居場所だ''と割り切ってからは、余計な私生活の波風も立ちようがない。

落ち着いた、穏やかで平穏な日常。

それを乱す要素なんて、今の結衣の生活にはどこにも存在しないはずだった。​


「今年の新人は一人だけなんだが、なかなか優秀でね。配属希望も我が課を強く希望していたらしいんだ。・・・・・ほら、来た。瀬戸、こっちだ。」​


課長がフロアの入口に向かって手を振る。

結衣も
「どんな後輩なんだろう」
と素直な好奇心を抱いて振り返り────

そして、完全に思考がフリーズした。​

「本日付で配属となりました、瀬戸廉(せと れん)です。一日も早くチームの戦力になれるよう全力で頑張ります。よろしくお願いします!」​